【要約#28】「哲学と宗教全史」真理って何なの!?

歴史・哲学・宗教

ここのところ私が読書テーマのひとつにしている「哲学、宗教、歴史」ですが、こちらの本は全体をまとめて俯瞰していて、著者(立命館アジア太平洋大学(APU)学長さん)の圧倒的な知識、見識が統合された凄まじい本でした。

感想は、一言「全ページアンダーライン」笑

一度で3000年の哲学と宗教の歴史を消化しきれる訳がないので、今後の人生で何度も参照することになる名著だと思います。

まだまだ消化しきれていませんが、今回の読書体験で学びであったのは、様々な哲学的な思想が、古よりいくつも生まれている訳ですが、それぞれの真理は、その時代背景を受けての反論だったり反発だったりすることがあるので、

真理って絶対的なものというより相対的なものなのかな、と思いました。

たとえば、ルソーの「自然に還れ」という思想は当時のフランスの絶対王政に対する反発から来ているものだと思われますし、キリスト教の元になっているユダヤ教は、長い迫害の歴史の中で自分達が生きる希望を保つために、「誇りを持て。我らは選民なのだ」と生み出されています。

さらに、「神は死んだ」という言葉で有名なニーチェ(1844-1900)は、自然科学の発達により世界の仕組みが明らかになり神も信じられない現代の世界でどう生き抜くかを説いています。

つまり、時代背景や環境で「真理」は変わってしまうので、「真理」というよりも「希望」と言ってもいいのかなぁ、と浅はかにも思いました。

今回の本は、様々な考え、つまり宗教と哲学を歴史に沿って、対比させて、「これとこの考えは似ている」「当時の時代背景はこうであった」という全体的な目線で書かれていて、凝り固まった考えに陥りようがない構成なので、非常に視野が広まった気になります(まだ全然頭に入ってないので気になっているだけですが笑)

本の帯で宮部みゆきさんが「本書を読まなくても単位を落とすことはありませんが、よりよく生きるために必要な大切なものを落とす可能性はあります」と書かれている通り、

生きている内に早めに一読しておきたい本だと思います。ただいきなり全部がんばって読破理解しようと思うと知識の山に圧倒されるかもしれないので、目次を眺めて興味がありそうなところだけでも読むのが良いと思います。

タイトルとURLをコピーしました