【要約#39】「無(最高の状態)」

心身パフォーマンス

「聴くことの真の秘訣は、自分のことはどうでもいいということです」という前回読書で取り上げました「LISTEN」

そして今回の「無」は、自分を無とする「無我」についての本です。

繋がっていますね…やはり自分に囚われないのは人生の充実感を高めるには必須なのでしょう。

著者は「パレオな男」で有名な鈴木祐さんで、10万本の科学論文を読破して心理、健康、科学に関する最新の知見を紹介してらっしゃる方なので、情報の信頼性が抜群です。

「無我の境地」は仏教の開祖であるブッダが、説いた教えですが、著者は科学的証拠をもとに無我の効用、練習方法を解説しています。

将来への不安や過去の失敗などから解き放たれたい、という方におすすめです。科学論文に基く根拠から書かれているので安心です。

本書の主旨を私なりにまとめますと、以下の通りです。

①苦しみや不安は、未来や過去に関して自分の物語を脳が自動的につくってしまう(自分の事を考えてしまう)ために起きてしまう

②自分の物語を止める「停止」と、自分を離れて客観性を高める「観察」によって「無我」に近づく

上記の①については、世界で最も幸福な部族と呼ばれるピダハン族は、話す言葉にそもそも過去や未来の概念がほぼ見られないそうで、自殺、うつ病といったメンタルの問題はほぼ存在しないとのことです。

②についての効力は凄まじく、例えばジョンズ・ホプキンス大学などのチームによるメタ分析では「観察」により抗鬱剤に匹敵する効果が認められたそうです。

著者によれば圧倒的な自由をもたらすという「無我」とまではいかないまでも、不要な不安から離れるために、取り入れていきたい考えです。

具体的な「停止」や「観察」の行い方や注意点、効果は本書に丁寧に解説されていますので知りたい方はご一読を。

ちなみに自分としては「作務」というやり方が今後の人生に有用なインパクトをもたらす発見でした。

これは、洗濯、皿洗い、掃除といった日常的な雑務を行う中で、自分の行為に意識を向ける「観察」のテクニックです(食器を洗っている間、石鹸の香りや泡を感じ続けるなど)。

もともとは曹洞宗の開祖・道元の教えで、坐禅や読教よりも重視していたそうです。

私は日常雑務は時間を奪われるものと考えていたので、ストレスの一因であったのですが、作務と考えれば、別途時間をつくる必要もなく、さらにストレスを減少させられるとなれば一石二鳥です。さらに一生続くので一生もののスキルですね。

あともう一つ気付きポイントメモですが、未来・過去は不安の原因であるけれども、同時に、本「夜と霧」や「神モチベーション」にあったように未来に希望を抱くことはモチベーションになります。そこで、未来は考えない方がいいの?考えた方がいいの?というジレンマがあります。

自分なりの仮説は、「無意識に」未来過去を考えてしまう時間は減らして、「意識的に」未来過去を考える時間はつくるのがいいということです。

「無意識に」頭に浮かぶのはネガティブなことですが、「意識的に」考えるのはポジティブなことだからです。

以上気付きメモでした!ではまた

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