【要約#29】「飲茶の「最強!」のニーチェ」神がいなくても生きていける!?

歴史・哲学・宗教

哲学、宗教、歴史をテーマに読書していたところ、哲学者ニーチェが面白そうだと思いまして、バキ×哲学のイノベーションによりめちゃめちゃ読みやすかった「最強の哲学入門」でお世話になった飲茶さんの本を手に取りました。

飲茶さんがおっしゃるに「ニーチェは、哲学入門書の題材において必ずウケる「鉄板」のネタ」だそうで、現代人の生き方指南や人生論に直結している、と。

読んでみました結論を自分なりに一行にまとめますと以下の通りです。

『未来・過去・他人の価値観というありもしない非現実な「背後世界」に振り回されず、人生に意味がないとしても、本来の「よい」人の意味に立ち返り、今、この瞬間を肯定して生きていける「超人」を目指す。』

まず、「背後世界」として、未来や過去は意味がないと。自分としてはここが一番良かったです。

というのも、個人的に、近頃猛烈なスピードで毎日が過ぎ去っていくようで、恐怖すら感じていたからです。本当に1週間があっという間で、こりゃいかん、これじゃすぐ人生終わってまう、と危機感を募らせていました(汗)。

そこにこのニーチェさんの「背後世界」ですね。思うに、過去と未来のことばかり考えて、今に意識が向いていなかったから、

今がどんどん過ぎ去ってしまっていたのではないか!?と気付きを得ました。要は上の空で過ごしていたんですね。

ちなみに、アインシュタインは「過去、現在、未来の区別が単なる幻想に過ぎない」という言葉を残しているそうです。

時間という概念は実に不思議です。

資本主義の基礎となっているファイナンスでは、過去、現在、未来の区別は必須で、時間はお金を生む(時間価値)という考えが前提にあります。お金に利息がつくのはこのためですね。

でも、この時間を一方通行の矢印のように捉える考えは西洋的な考えで、キリスト教の「人類は始まりから終わりに向けて一直線に進み、その終点には最後の審判がある」という思考回路が影響しているそうです。

この点、物理の観点から「過去現在未来の区別がない」と語ったアインシュタインの考えや、ニーチェの「過去未来は現実のものではない」という時間概念は、先に述べた現代資本主義社会の時間概念とは全く別で興味深いです。

要は、始まりと終わりがあって一直線に進む時間というのは、都合よく社会の仕組みをつくるための人工的な産物なのかもしれませんね。

以上、自分的に一番ポイントとなった部分の解説がえらく長くなってしまったので、あとは軽く書いて終わりにします。

次に、ニーチェさんは「よい」という意味は、古代の人々は純粋に「強い」とか「優れている」という意味であり、強さを求めて良いのだ、と説いていらっしゃいます。

「神は死んだ」世界では人生に意味がないけれども、今この瞬間を肯定して生きよ、と。

それが「超人」なのだと。※超人ハルクみたいにムキムキな人を指している訳ではないそうです

いやぁ、宇宙も時間も人生も人間が感じる感覚も、めちゃくちゃ不思議です。時間に始まりも終わりもあるのか、自分が原子の集合であって、原子はなくならないのか、自分は無くなるのか、圧倒的絶望をうけいれて、それでも今を肯定して生きる「超人」…

世界は不思議だけども、個人的に勇気を感じた本書でありました。表紙の女の子と著者のフランクな対話形式でめちゃめちゃ読みやすいので是非ご一読を。

では!

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