【要約#26】「史上最強の哲学入門」より良く生きるには!?

歴史・哲学・宗教

「史上最強の真理を見たいか!」

「おおおおおおおおおお!!」

…という「バキ※」×「哲学」の掛け算というイノベーションを起こした傑作です。

※「グラップラー刃牙」に始まる格闘技を題材とした人気漫画シリーズの一作(「知らない人はいないと思いますが」と同著に書くほど著者はバキ好き)

哲学なんて何ら知らない私にもめちゃくちゃ分かり易く、面白い。個人的に今年一番どんどんページが進んだベスト本です。

まさに、まさに、「史上最高の哲学入門書」!!

ところで、私がこちらの本を読もうと思ったのは、歴史を学ぼうと考えていたところ、

歴史は宗教と共にあり、宗教は哲学と密接に関わっている(哲学入門である今回の本にも、哲学者の一人としてイエス・キリストが出てきます)事に気付き、

それなら哲学の偉人たちの事を学べば、歴史や宗教も理解がし易くなるだろうと考えたためです。

また、読むべき本として紹介されているのをよく見るので(山口周さんの「独学の技法」など)、こりゃ読むっきゃないな!ということで迷う理由なし。ポチッと購入。

内容は、大きく以下4章(ラウンド)に分かれ、哲学の最強の偉人たち計31名の考え(戦い)を示すシンプルな構成です。

(本書の構成)

第一ラウンド 真理の「真理」-絶対的な真理なんてホントウにあるの?

第二ラウンド 国家の「真理」-僕たちはどうして働かなきゃいけないの?

第三ラウンド 神さまの「真理」-神は死んだってどういうこと?

第四ラウンド 存在の「心理」-存在するってどういうこと?

以上

どうです?如何にも知的好奇心をそそられる戦いではないか!!

非常に、非常に面白いのは、現代を生きる私たちが「私たちって最新の価値観でクールだけど、1世代前のご老人は考えが古いなぁ」と思っている価値観が、実は2500年前の価値観だったりすることです。

約2500年前のプロタゴスの相対主義は「価値観は人それぞれ」というダイバーシティに通ずる哲学を展開していますし、

これまた約2500年のデモクリトスは「存在は原子でできている」と現代科学の世界観に既に思考のみで達しています。

なんということでしょう。私たちが自分をクールだと思っていた考えはめちゃくちゃ、めちゃくちゃ古くに起源があるようです。

そうすると、自分の考えは、果たして自分の考えなのか?どこから来てるんだろう?ホントウの自分なんてあるのか?なんて、それこそ哲学的になってしまいますね(笑)

最後に、「神は死んだ」で有名なニーチェ(1844-1900)は、神を信じることができない世界-全ての価値観が崩壊した世界を生きる「末人」を描写しているそうです。

「末人とは、何も目指さずに生きている人間のことである。彼らは、ただ健康とよき眠りだけを求め、穏便に人生が終わることを願って、なんとなく生きていくだけの存在である」(本書より抜粋)

ニーチェは、このような末人たちが現れるだろうと100年以上も前に予言しているそうです。

なんとも現代そのものみたいですね。

これらは本書のほんの一部ですが、繰り返す鬱屈した日々のなか、お手軽に狭い自分の視野を広げたい方、頭が硬い人間になりたくない方、歴史や宗教の土台への理解を深めたい方、より良く生きるきっかけが欲しい方におすすめの本です。楽しく書かれているので、気軽に楽しみいただくと良いと思います。

タイトルとURLをコピーしました